food return

ユリウス・マインルのコーヒー

 

 我が家のコーヒーは長くユリウス・マインルのジュビリーを飲んでいる。


 きっかけは、偶然。ウィーンに行ったとき、帰国日の朝、TVを見ていると、帰りの飛行機(LH)がストライキで運行しないという。どうしようか、と考えながら、ホテルの朝食を食べていると、やはりこういう時は早く空港へ行って航空会社に確認するべきだ、と思い、朝食もそこそこに、空港へ向かった。


 ウィーン・シュベヒアート国際空港のルフトハンザの窓口に行くと、航空券を持って奥に入って行き、しばらくしてもどってきてお姉さんが言った。「Chenge direct flight to japan by Austria air,in business class.」おお、ウィーンからの直行便で、しかもビジネスクラスで帰られるのか。オーストリア航空のウィーン発時間まで4時間ほどあったので、その間、荷物を預けてウィーン市内に戻った。


 新たにお金を引き出して、ホテルザッハーのカフェで美味しいアイスカフェを飲んだ後、引き出したシリングを使い切るためにコールマルクトのユリウス・マインルで買い物をした。その中にジュビリーコーヒーも入れていた。


 快適なビジネスクラスに乗って、無事に帰国し、コーヒーもいれてみた。これまで嗅いだことのないふくよかな香りが広がり、飲むと珈琲の味が濃いが決して渋くもなく、大変うまい。私は牛乳を加えて飲むのだが、そうするともう抜群の相性である。ただし、牛乳を加えるときは、牛乳を温めるのを忘れてはいけない。夏でも冷たくするよりも温めたほうが断然うまい。だから、夏でも我が家では熱いコーヒーを飲む。


 このコーヒーから離れられなくなってしまった。日本で探すと明治屋や成城石井などで売っていたが、とても高い。それで、ユリウス・マインルのwebページから直接取り寄せた。配送料が高いが、それでも日本で買うより安かった。


 しかし、ある時からユリウス・マインルが使う配送業者が変わり、日本への配送料が倍に跳ね上がった。これでは、個人輸入でも辛い。そこでwebで取り扱う業者を探した。飲み始めた時から7年ほど経過したからか、通信販売の輸入業者も多くなり、値段も個人輸入するよりも安い。以降はもっぱら通信販売を利用している。


 インターネットの普及は確実に我々の生活を豊かにする。オペラのチケット取得時にも思ったが、インターネットのありがたみを感じた。いつでもこのコーヒーを飲めるというのはとても豊かな気分させてくれる。(2010.8.15)