food return

ラーメンは麻薬

 

 ラーメンは麻薬である。うまいラーメンを見つけるとそのラーメンを何度も食べずにいられなくなる。


 高校生の時は、高校の同級生の親がやっているラーメン屋に通った。また、近所の駅前の料理屋さんで出すラーメンが滅法うまくて、そこも何度も通った。同級生の親のラーメン屋はテレビにも出て、小さなラーメン屋さんだったのが、すごく大きくなった。小料理屋さんの方は、別の場所に移動して、行けなくなってしまった。


 社会人になって、福岡に旅行で行ったとき別の料理屋に行く予定が店が閉まっていたので隣にあったラーメン屋に入った。それが信じられないほどうまくて、かみさんと二人ラーメンを食べることに集中した。その店の名前は「トキワ」。その筋では有名なアッサリ系のとんこつ博多ラーメンであった。


 私が好きなラーメンは豚骨ラーメンである。北九州ではラーメンといえばそれで注文は終わり。塩とか醤油、味噌なんて分類はなく、ラーメン=豚骨ラーメンである。もちろん店によって違いがあって、大きくアッサリ系とコッテリ系に分けられる。私が好きなのはアッサリ系である。


 受験で関西に来て、ラーメン屋さんでは醤油、塩、味噌を選んで注文しないといけないと知って、カルチャーショックを受けた。醤油ラーメンや塩ラーメンはインスタントラーメンでは知っていたけれど、インスタントだからこんな中途半端なラーメンしか作れないんだと思っていた。その後しばらくして、豚骨ラーメンのインスタントも出るようになり、大量に買い込んでよく食べていた。


 結婚して、食事にインスタントものを全く食べなくなり、ラーメンも食べなくなった。それが、20年経過して、今は、ラーメンに夢中である。そのラーメン屋は梅田にある「あらうま堂」。ここは九州ラーメンではないのだが、豚骨風味。その豚骨のにおいに感激して、思わず店に入ってしまった。この店では、醤油、塩、味噌を選び、チャーシューをモモとバラを選べる。私は塩、バラに煮卵を入れるのが好きだ。どうしてもこれを食べたくて梅田に行ったら、この店に行ってしまう。このラーメンを食べるために梅田に行ってしまうことすらある。久々に麻薬のようなラーメンに出会ってしまった。でも、ラーメンは体重に如実に現れる。喜ぶべきか、悲しむべきか?