food return

調味料の話

 

 我が家ではしっかりした調味料を用意している。


  醤油:「チョーコー醤油」:長崎の丸大豆醤油。
  塩:「アルペンザルツ」:アルプスの岩塩
  みりん:本みりんいろいろ
  調理酒:純米酒いろいろ
  酢:純米酢いろいろ
  味噌:無添加味噌いろいろ
  出汁:こんぶ土居の「標準十倍だし」


 もっと値段の安い調味料も売っているのに何故?と思われるかもしれないが、これらのしっかりした調味料を使った煮物は確実に美味しくなるし、刺身も醤油で味が変わる。


 結婚してしばらく、私は妻が作った料理を食べて、何かが違うと思い、妻に、
 「調味料を甘く見てはいけない。いい物を使ってくれ。絶対味がよくなるから。」
と何度も頼んだが、
 「それじゃあ、あなたが買ってきてよ。」
と言う。仕方がないので、最初は私が醤油を買っていた。すると、そのうちその違いに妻も気づくようになり、刺身や煮物が見違えるように味が変わって、考えを変えるようになった。


 そして、醤油、みりん、塩はすぐにしっかりしたものに変え、その後も、純米酒、純米酢、味噌、出汁を妻が自分で高価な調味料を買ってくるようになった。もっとも高価といっても、一回に使う量はたかが知れているので、1回分の値段はそれほど以前と差が出るわけではないらしい。


 ある日、妻がこんなことを言った。
 「実家で刺身を食べたら、醤油が安物で、味の違いに参った。やっぱりいい醤油を使わなきゃね。」
 いい物を食べ始めると元には戻れないのである。


 いい調味料のおかげで、魚の煮物や醤油漬けがとてもおいしくなった。最近は、妻は各種調味料を通信販売で購入しているようである。醤油も本みりんも手持ちだと重いからいい方法でといえる。


 ただし、大阪西堀商店街の「こんぶ土居」の「標準十倍だし」は、お店に行かないと買えない。値段の高い「本格十倍だし」は百貨店などでも売っているのだが、味噌汁にぴったりの「標準十倍だし」は「こんぶ土居」のお店でしか売ってないのだ。しかたがないので、うまい味噌汁を作るために、妻は「標準十倍だし」を買いにせっせと谷町6丁目まで出かけている。(2009.8.11)