food return

料理の話

 

 私は、料理が好きである。


 料理といっても日常の料理ではなく、ベーコン、ソーセージ、梅干などを自分で作るのである。


 作り始めたきっかけは、自分で選んだ安全かつ上等な材料で作りたいと思ったからだ。その辺で売っているものは信用できないし、よさそうなものは値段が高い。それなら自分で作ったほうがいいように思ったわけだ。


 こういったものを作るにあたって条件があって、一度作ったらしばらくは食べられる分量ができることである。一度豆腐を作ったが、美味しくできたし、湯葉も取れていい感じだったわけだが、家庭用ミキサーでは一日で食べ終えてしまう量しか作れない。美味しいものができるのはうれしいが、苦労した割に楽しみが長続きしないのは悲しい。


 最初に試したのはベーコンだった。ベーコンは本格的なものではなくて、簡易的に作るレシピを入手して作ってみた。それでも十分美味しかった。一度作ると2週間ぐらいは楽しめたので、定期的に作るようになった。ただ問題が一つあった。2時間薫煙しないといけないことで、集合住宅に住む身には、近所への影響が気になった。


 ベーコンの次に試したのはソーセージである。基本的なレシピは本から得たが、これを改良しながら、いろいろ作っていった。ここで大変なのは、羊腸の塩漬けを絡まっているのを解いて中身を洗う作業と、腸に詰める作業である。羊腸は基本的に絡まっているのでこれを解く作業は大変神経を使う。また、腸に詰める作業は、一回に2kg作るのでかなりの重労働だし、うまくやらないと腸がすぐ破れる。破れたらその前後で腸を結びなおしてやり直すことになる。


 生ハムも作った。これは冷蔵庫に入れているだけだから、一週間で簡単にできた。だが数回作っただけで止めた。当時は利用方法がなかったからである。


 梅干も作った。これは結構大変だった。漬けるのも重労働だし、土用干しも手間が大変。それでも作り続けたのは、本当に美味しかったからである。作ってみてわかったのだが、梅干は梅のよしあしで味が決まる。だから5kgで7~9千円の南高梅の上等な梅を買って梅干を作った。我ながらすばらしい梅干を作ってきたと思っている。


 現時点で、これらの全てを作ってない。仕事が忙しいとか、病気で体が動かないとかいろいろ理由はあるが、残念で仕方がない。