パソコン遍歴
パソコンを買ったのは1994年である。ソフマップという会社がCPUがインテルの486の66MBを搭載したパソコンを20万円弱で販売したので、つい買ってしまった。モニターは別の店で探して17インチを10万円で購入した。
何故パソコンを買ったかと言うと、これまで撮った写真をスキャンして、パソコンで手軽に見たかったからだ。ご存知の通り私の写真はほとんどがスライドでプロジェクターも持っているのだが、どうも手間がかかる。それで写真の電子化である。
そのために買わなければならないものが3つあった。1つは1024×768の画面サイズで24bitで表示できるビデオカード。1つはフィルムスキャナー。3つ目はメモリーである。
ビデオカードはMATROXという業務用のビデオカードを手がけている会社が、民生用に出しているビデオカードがある。VRAM(なつかしいなあ)が4MBついているものが10万円だったが購入した。
フィルムスキャナーは、Nikonとコダックが20万円を切るスキャナーを売っていた。Nikonのスキャナーは1枚スキャンするのに20分かかる。コダックは1分。Nikonのショウルームにも行ったが、迷わずコダックを買った。
メモリーは当時は大変高く、16MBで10万円もした。それでも当時のパソコンに入っている8MBより早くなるので、2枚買って、48MBにした。
結局、トータル80万円である。
しかし、コダックのスキャナーの性能はもうひとつだった。画像が色によってずれるのである。また、1枚ずつスキャンしなければならないことも待ち時間が暇で、効率が悪かった。結局、コダックのスキャナーは余り使われず、埃をかぶっていた。あと、写真のファイル容量が大きすぎたこともある。出てくるファイルは40MBで、いまのメモリーでは全く足りず、パソコンの処理に時間がかかった。
一方、パソコンも埃をかぶっていた。会社で大体のことができたからである。昔は鷹揚で、会社で個人的な目的でインターネットに接続しても文句は言われなかった。もちろん、業務時間中や、アダルトサイトに接続するのはご法度だったが。こういう環境が、インターネット人口を増やすのに大きく貢献していたのは間違いない。それが2000年ごろから会社での私用のインターネット接続が問題になるようになった。そういう人が多くなったことと、インターネット上の掲示板等でトラブルを起こす人が出てきたからだろう。
私も家でインターネット接続の環境を整えるため、プロバイダーに加入しパソコンを更新した。更新すると、今まで使っていたビデオカードは使えなくなった。1994年当時は早いバスとしてISAバスを拡張したVMバスが多く使われていたが、2000年になると、そんなバスは存在せず、PCIバスに置き換わっていた。結局、今まで使っていたパソコンのパーツは殆ど新しいものに置き換えられてしまった。
次はネット接続がダイヤルアップからADSLに置き換わってから、新しいノートパソコンを購入した。今までは窓際の机でパソコンを使っていたが、冬は寒くて仕方なかったのでノートパソコンで無線LANでコタツに座ってパソコンを使えるようにした。会社の同僚いわく「コタツトップですね。」それ以来。コタツトップが続く。
2006年にかみさんのノートパソコンが壊れたので、新しいノートパソコンを買った。それが予想外に安く性能も高かったので、私も買い換えることにした。やっぱり早いパソコンは快適である。メモリも多くつんだので、画像の処理も早くなった。
そして、もうすぐ発売中止になるだろうといわれていたフィルムスキャナーを買った。使ってみて一枚づつ入れるのも大変なのでフィルムフィーダーも買った。このスキャナーでは一枚の画像のサイズが133MBある。でも、今のノートパソコンのメモリーは4GB(windowsの制約で3.5GBしか認識しない)でありHDDも1.5TBもあるのでへっちゃらである
こうしてくると、デスクトップパソコンも新しくしたくなって、先日、部品を買ってきた。マザーボードが高かったのと、電源を新しくないとだめだとか、OSを入れるハードディスクはシリアルATA接続じゃないと不安定になるとか、いろいろ脅されて、想定より1万円ぐらい高くなってしまった。
そして組み立てをして、いろいろトラブルもあったが、今はちゃんと動いている。今まで使っていた拡張ボードはほとんど不要になってしまった。更新のたびにこういうことが起こる。1994年から使っているものは、FDDとキーボードだけである。
やっとのことで写真を高解像度で取り扱える時代になった。時代が私に追いついた、というところか。