ベルリンコーミッシュオパー《ボエーム》
日時
1998年3月27日(金)
会場
ベルリンコーミッシュオパー(ベルリン)
演目
プッチーニ作曲 歌劇《ボエーム》(ドイツ語上演)
指揮
VLADIMIR JUROWSK
演出
HARRY KUPFER
管弦楽
・合唱
・合唱
ベルリンコーミッシュオパー管弦楽団合唱団
配役
ミミ GERTRUD OTTENTHAL
ムゼッタ NOEEMI NADELMANN
ロドルフォ DONALD GEORGE
マルセル KARSTEN MEWES
ムゼッタ NOEEMI NADELMANN
ロドルフォ DONALD GEORGE
マルセル KARSTEN MEWES
コミッシュオパーの建物は外見は地味ですが中身は派手。ただ、ぱっと見は派手ですが、よく見ると絨毯ははげてるし、オケのピットのオケ側の壁は裸の木材にくぎが打ち付けてあるのが見えて、「金は舞台に使うもの」という実質本意が感じられました。会場の入りは8割ぐらいですが、後ろの座席に高校生ぐらいの団体がいて、これがなければもっと入りは悪かったでしょうね。
さて、舞台ですが、左手に階段、右手に部屋を配置し、はじめからミミは階段の上でロドルフォの部屋をうかがっていて、すでにロドルフォに好意を寄せているという設定のようです。このように1幕と4幕は左手の階段を効果的に使い、人物の感情を上手く表現していたように思いました。
演出で圧倒されたのは2幕です。約30分の間、群集が出たり、入ったり、入り乱れたり、整列したり、行進したり、喧嘩したり、談笑したり見ていて息つく暇がありません。動きも隅から隅までコントロールされていて、装置の裏のあまりよく見えないところでもちゃんと演技していました。
そんななかでムゼッタのNOEEMI NADELMANNがすばらしい歌唱。オケや合唱がどんなに大きな音を出しても彼女の声は響き渡り、あんなに動き回っていても乱れることが微塵もありません。演技も立ち姿もすばらしいし、この劇場のためにいるような人ですね。
その他の独唱陣も質は高く、演出も演技もいい。あえて言えばオケがちょっとがさがさした音を出してましたが、全体的にはとても楽しめました。
クプファーは頑張ってますね。