ヴィーン国立歌劇場公演《フィガロの結婚》 2/2
さて、演奏が始まると序曲からウィーンの音です。快調なテンポでうきうきしてきました。これは、期待が持てる。そして、幕が上がってフィガロの第一声からすばらしい声。さすがTERFEL、声もよく安定感もいいですがなにより声量がすごく、会場がすべて彼の色に染まる感じです。初めて聴きましたが、これなら今の人気も納得です。対するスザンナのREYもなかなかいい。今日がヴィーン国立歌劇場のデビューですが、そんな感じは微塵もなくて、かわいい声で演技もよく、おきゃんな雰囲気がよく出てました。なんだか、LDのフレーニを見てるようです。
その他の独唱陣もすばらしいでき。あれだけ独唱者がいると調子が悪い人がいてもいいように思うのですが、隅から隅まで抜けがない。オケもずっと快調で、モーツァルトのオペラの醍醐味を味あわせてもらいました。機関銃のように次から次に出てくるアリアに感激の連続。たまりませんね、これは。 んとに驚きました。
舞台については、ポネルのフィガロはLDは持っていたのですが、実際の舞台は初めてであれを舞台にするとこうなるのかと変な面で感心してしまいました。クラシカジャパンでポネルの記録映画をやっていたのを見ましたが、確かにLDでは映画ということで、それ用の表現を多用してますね。対して、実際の舞台ではできる表現方法は限られてしまいますから、結局映画と実際の舞台とでは随分違ったものになるのだと、改めて感じました。ただ、雰囲気は同じですね。MITTLELOGEで見たらどうだったでしょうか?
それにしても、今回のフィガロはこれまでウィーンで見たオペラの中でも最上の部類に入る出来でした。演奏も歌手も最高!こんな経験ばかりだったら、帰国したら変なのを聴けなくなってしまうなあ、なんて、変な心配が頭をもたげきました。でも、最高に幸せでした。