リッカルド・ムーティ指揮 スカラ・フィルハーモニー管弦楽団演奏会
ヴェルディ 歌劇「マクベス」より“魔女の踊り”
ポンキエルリ 歌劇「ジョコンダ」より“時の踊り”
ファリャ 組曲「三角帽子」
レスピーギ 交響詩「ローマの祭り」
マルトゥッチ「ノットゥルノ」(アンコール)
会場に入るなり人の多さにまず驚きました。こんな値段の高いコンサートに補助席まで出てほとんど満員。最近の関西のコンサートでこんなのは久しぶりです。よくよく眺めると客席には女性がかなり多く、半分以上います。これは最近のイタリアブームとオペラブームの影響かとも思いましたが、一曲目の始まりでムーティが会場が静かになるまで待ったとき、けっこうすぐに静かになったので、皆さん気合いは入っているようです。
さて、内容ですが、きれいな音を出すオケですね、ここは。私はスカラフィルは初めて聴いたのですが、弦、木管、金管、打楽器すべて大変質の高い音色で魅了してくれました。特によかったのは木管で、必要なときにしっかりと響かせてくれました。「ローマの祭り」ではホルンが遠くから聞こえるような最弱音を信じられないほど正確に演奏し、その能力にはまさに圧倒された感じです。逆に金管はちょっと押さえすぎで、いい音を出しているのに迫力がもう一つかなととても贅沢な不満。
曲目をみますと随分いろんな曲が有りますがそれぞれの曲の特徴をうまく表現していて随分と器用な印象です。やっぱりオペラ劇場のオケはこうでなくては!と妙に感心しました。
ムーティの棒は、どれもいいテンポで上手くまとめてまして、「ローマの祭り」も大変盛り上がり多いに沸きました。立って拍手している人も女性ばかりですがたくさんいました。
とまあ、みんなよかったのですが、ただ、私はもう一つ平凡な感じがして、どうも手放しで喜べまなかったのです。これは一体何なのか、曲目のせい?それとも指揮者?ただ単に期待が大きすぎただけなのか?オケは期待通りかそれ以上だったのですが・・・ うーん、よくわかりません。
なんか釈然としないコンサートでした。ただ、是非ともミラノスカラ座でオペラを見たいな!と思ったことが 一番の収穫でしょうか。
(おまけ)休憩時間に打楽器奏者が集まって記念写真を撮ってました。 さすが、イタリアン、のりがいいですね。