歴史と共に<音楽 >を楽しむ音楽会シリーズ・XIX
20世紀の歩みと地域の拡大 バルトーク第四夜
〔弦楽重奏の魅力の多様化〕
Vln2 馬淵清香
Vla 竹内晴夫
Vc 日野俊介
コダーイ セレナード
バルトーク 弦楽四重奏曲第4番
ネットサーフィンしていると京都の催し物のサイトで、突然このリサイタルがあることが分かり、行ってみることにしました。でもネットで調べても、「バルトーク」「弦楽四重奏」とだけあって、どんなプログラムなのかさっぱり分かりません。
京都文化博物館に電話すると「チケットはたくさんあるから当日券で十分です。」とのこと。それで、会場にちょっと早めに行きました。すると、チラシがあって、上記演目を知りました。バルトークだけやるのかと思ったら、ドホナーニとコダーイも一緒。ドホナーニって誰?と思って、帰宅後に wikipediaを見たら、バルトークと同窓だけど、ブラームスの流れを汲む後期ロマン派の音楽家らしい。指揮者のクリストフ・フォン・ドホナーニの祖父。
会場の京都文化博物館別館は旧日銀京都支店の明治時代の建物を修復したもので国指定の重要文化財。設計は東京駅を設計した辰野金吾と弟子の長野宇平治による辰野式建築。内装は壁は2割が木、その他は漆喰、天井は木。床はリノリウム。この時代にリノリウム?と思いましたが、建設当初からリノリウムだったようです。音の反射が多そうですが間口が広く奥行きの狭いホールなので、どんな音響になるのでしょうか?ちなみに座席数は250。
まず最初に解説がありましたが、これが長くて意味のない、的外れもいいところのもので、しかも、同じことを何度も繰り返す。必死で演奏開始まで耐えました。
演奏が始まると、演奏者の音がすごくいい音色で迫力もある。特に第一バイオリンとビオラがすごい。只者じゃないなと思ったら、第一バイオリンが名古屋フィルのコンマスで、ビオラが大阪センチュリーの 首席ビオラ奏者。結構な顔ぶれをそろえていました。でも第二バイオリンが弱くて、弦楽四重奏は4人がそろってないと厳しいものだなと思いました。
でも、いい刺激的な演奏を楽しめした。さすがに、バルトークの演奏には、もう少しキレが欲しかったですが、これだけの演奏を聞かせてもらえたら十分です。
この流れで聴くと、ドホナーニが耳さわりのよい曲の中でハンガリー独特のメロディが浮かんでくるのに対し、コダーイが結構面白い先進的な旋律の中にハンガリーの雰囲気を漂わせている音楽を作っていること、そして、何よりもバルトークが如何に同時代に極めて先進的かつ刺激的な音楽を作曲していたのかがよく分かりました。特に印象が変わったのがコダーイで「ガランタ舞曲」の平易なイメージが強かっただけに意外でした。
プログラムといい、演奏といい、大変満足できた演奏会でした。これで1500円というのは破格の値段です。
あとは、的外れで無意味な「解説」がなければいいのですが、おそらく京都市立芸術大学名誉教授というこの人が企画しなければ、こういった刺激的なリサイタルはなかったでしょうから、多少の我慢は仕方ないのかもしれません。
ホールとしては全体的にデッドで、後方に座ると、少し反射音が聞こえますが、変な響きはないので、違和感はありませんでした。
なお、このシリーズの次回、次々回は
2010/6/11 18:30開演
〔オーケストラの20世紀への推移〕
バルトーク 「舞踏組曲」
「中国の不思議な役人」
「管弦楽のための協奏曲」
(ピアノ演奏)
2010/8/27
バルトーク 「ヴァイオリンとピアノのための
ソナタ第2番」
「狂詩曲第1番」他
とのことです。この音楽会はネット等には詳細は載らないようですが、京都文化博物館に行けばチラシはおいてありますし、電話すれば詳細を教えてもらえると思います。
6/11は行ってみたいなあ。