シューマン交響曲全曲演奏会第2夜
マンフレッド序曲
交響曲第2番、第3番「ライン」
このコンサートあることは結構前から知っていたが、平日であること、シューマンの交響曲に食指が動かなかったことから、あまり気にしていなかった。ただ、11月に全くコンサートにいけなかったので何かに行きたいとコンサートに飢えていた。ネット上での評判がよく、木曜日なら行けることになったので、第二夜のみの参戦。
当日券で入場。電話で聞いたときは「切符はたくさんある」といわれたが、8割ぐらいの入りかな。2階の真ん中が空いているのが気になったが、あそこもS席なんだろうか?
さてオケが入って指揮者登場。調律をしないのは舞台裏でやってきたからなんだろう。
まずは「マンフレッド序曲」。この曲、名前はよく聞くが、私は聴いたことがなかったのかな。複雑で、入り組んだ音楽だと思った。でも、演奏は明快。テンポよく颯爽とした印象。評判どおりいい演奏だ。オケもビシッとしてなかなかいい。
続いて、交響曲第2番。この曲も初めて聴く。「マンフレッド序曲」よりさらに複雑で、入り組んでいる。次から次へと湧き上がる曲想を何とか曲にして楽譜に詰め込んだ感じだ。でも、ヤルヴィは複雑に絡まるさまざまな曲想をうまく解きほぐし、さらに一音、一音に力を漲らせる。オケも指揮に応えて力いっぱい演奏する。聴いていて、興奮が止まらなくなる。シューマンの交響曲って、こんなにエキサイティングなんだ!
曲が終わった後の会場の興奮はすごかった。演奏会が終わったかのような大拍手が止まらない。
興奮の第2番のあと、休憩して第3番「ライン」。この曲は聴いたことがある。2番のように複雑ではなく、メロディアスな曲。演奏は大変気持ちのよいテンポに美しい音。それでいて刺激的なパッセージが随所に現れる。弦の音が綺麗なだけでなくわずかに素朴なテイストが混じっているのもとても好ましい。最後もバシッと決めた。
会場は大興奮だった。しかし、1曲のアンコールがあって、結構アッサリと舞台から去っていった。
今回はヤルヴィの指揮でシューマンの交響曲のすばらしさを認識させてくれた。特に2番。シューマンの頭の中に次々に沸き起こる曲想ををうまく整理した上で極めてエキサイティングな演奏に仕上げていた。私は、シューマンなどロマン派の前期の曲を聴くことはほとんどない。でも大変エキサイティングな経験だった。
ヤルヴィの指揮は曲を熟知し曲のもつポテンシャルを十二分に引き出していた。そしてヤルヴィもすごいが、ヤルヴィとオケの関係のよさに好印象を持った。オケはヤルヴィの指揮にうまく反応するけれど、ヤルヴィはオケを締め上げるのでなく、オケの自主性を重んじているように見えた。それが両者の関係を好ましいものにし、この好演につながっているのではないか、と思えた。
いろんな面で気持ちのよいコンサートだった。こういうコンサートにはなかなか出会えるものではないと思う。