ホールの感想
馬蹄型の典型的な歌劇場。このタイプにありがちな音響で、平土間前方は音が悪い。同じ平土間でもPARTEREになると天井からの第一次反射音がいい具合に加わって、音が格段によくなる。その後ろにある立見席も音がいい。しかし一番音がいいのは、天井桟敷である。ここで聴く音は、一音一音が輝いて本当にすばらしい。舞台を見るのにいいのは、平土間前方よりミッテルロージェである。ここで見ると、舞台がまるで映画の一シーンのように美しく感じる。音もいい。
世界一音響がいいといわれるホール。内装は金色で目にまばゆい。シューボックスタイプで横幅が狭く、第一次反射音が強く、音響は評判どおりすばらしい。平土間では、音が頭の上を通っているように感じるので、二階席のほうがさらにいい音がするのかもしれない。ただ、残響は強く、なれない歌手やオケが演奏すると、震えるような音がすることがある。
大きなホールで、天井も高く横幅も広いため第一次反射音を感じることができず、散漫な音響と感じた。楽友協会大ホールでいい音響を味わうと、ここの音響は満足できない。
馬蹄型の歌劇場だがこの大都市ににあわない小さな劇場である。舞台は見やすいのだが、オケが大音響で鳴らしまくるので、音が飽和してビビリ音が聞こえることがある。
サントリーホールが参考にしたホールと言われている。ワインヤード型で、場所によって音響が変わる。一番音がいいのは、正面のブロックであろう。舞台の音が正面の席に飛び出すように舞台の壁が配置されていて、その音の塊が正面の席にぶつかってから、周りに拡散していく。そして高い天井で反響して頭のはるか上方で残響が聞こえる。正面以外の席は迫力は減るけれどバランスのよい音が聴こえる。ヨーロッパの力強いオケの能力を最大限に引き出せるすばらしいホールである。
大変大きな馬蹄型の劇場。2階以上もボックス席はなく、すべてオープンな座席である。座席が非常に大きく、座りやすい。音響は私は平土間しか経験がないが大変いい音で楽しめた。何より、シュターツカペレ・ドレスデンの本領が発揮されて、オケに酔える劇場である。劇場ツアーの話によると、天井桟敷が一番音がいいらしく、馬蹄型はどこもそうなのかもしれない。なお、平土間には通路がなく、横に60席以上座席が並んでいるので、中央に座ると出入りが大変である。
大変大きな馬蹄型の劇場。4階席と2階席と平土間1列目に座ったが、音がよかったのは4階席であった。ただ、4階席になると舞台が遠く見えて、大きなホールは難しいなと思った。ヨーロッパのホールとしては隅々まで内装などの配慮がいきわたっていて、観客の服装もかなり着飾っている。ヴィーンに比べて観光客の比率が少なく、地元の人たちのハレの場としての地位を保っている。ちなみに、立ち席は指定席で、決められたボックスに立つ。
馬蹄型の劇場で内装が豪華ですばらしい。しかし、音はデッド。これだけ内装にビロードを使っていては音も反射しないだろう。でも、ここの平土間で見るオペラやバレエは、豪華さに酔いしれて格別である。なお、サイドのボックス席は地下鉄の音がうるさく、舞台も見えないので、安くてもお勧めできない。
馬蹄型の劇場。オペラからオーケストラ、室内楽、歌曲のリサイタルと何でもする。プログラムはバロックものも多く、私にとっては行きたいプログラムが多い劇場である。ただし音響はデッドで声楽はよいがオーケストラはよくない。通常馬蹄型劇場の場合、天井桟敷の音がよいとされるが、ここは最悪で音が聴こえてこない。座席は、平土間は大きく、上の階に行くにしたがって小さくなる。この狭い劇場で2000人以上収容できると言うのは驚くべきことだと思う。なお、ここの運営は民間の放送局で、国立のオペラ座と違い、座席案内にチップが必要である。案内待ちの行列ができるし、ボックス席の場合は、チップを払わないとボックスのドアを開けてもらえない。