ホールの感想
日本で最初に4面舞台の設備を備えたホール。2500人と言う収容人数の割にはいい音がする。横は広いが高さが抑えられているためだろうか。問題は、ホワイエの狭さとビュッフェの使い勝手の悪さ。劇場内はすばらしいが、幕間を楽しむことがこのホールでは難しい。
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日本で最もすばらしい音響でオペラを楽しめる劇場である。ロケーションもすばらしく広いホワイエから望むびわ湖の景色は、幕間の楽しみを倍増させ、ここに来てよかったと思わせる。音響は平土間から4階席までほとんどいい音が聴け、4階席サイド以外は舞台も見やすい。ただ、4階席中央の奥2列では音が篭って聞こえた。このホールでも悪い音になる席があるんだと思った。このホールの問題は、駅から遠いことと、後背人口が少なく公演を回数を多くできないことだろう。最近は滋賀県の経費削減でさらに公演数が減っている。
大きなシューボックスタイプで、縦横ともに広く、容積が大きいためか、第一次反射音が少なく、音響が悪く散漫な音がする。平土間後半では、舞台との間に見えない間仕切りがあって、そこからもれ聞こえる音を聴いているような気がする。ただ、舞台に近い席は満足のいく音が聴ける。入り口の意味の無い長いループの坂道(ホール設計者は日常空間からハレの空間へ誘う、などと言っているそうだ。)もあって、あまり行きたいホールではない。
旧日銀京都支店を夜に300席ほどのホールとして利用している。昨年までのプログラムでは連続してバルトークを取り上げるなど意欲的だった。音響は、一言で言えばしっとり。響きは無いけれどデッドだと感じることも無い。今は改装中だが、この空間がまたホールとして使われることを願う。
日本屈指のすばらしい音響のホールである。ヴィーン楽友協会大ホールの音響から残響2秒で設計したことは有名である。平土間からサイド席までどこでもすばらしい音がする。ここでオケの演奏を聴くと、体中が音に包まれているような感覚がして感激する。最近は運営上の問題なのか、余り刺激的な公演がなく、行く機会が減っているのが残念である。
昔はいろんな伝説的な公演が行われた大阪国際フェスティバルの会場である。2700人収容の割には、天井が低く、第一次反射音が天井から来るため音は悪くない。ザ・シンフォニーホールができてどうしても比較されてしまうが、ここの2階席前方で見るオペラは音もよく舞台もよく見えて、満足できたものである。ビルの立替のため、閉鎖されたが、新たなビルでさらによい音響のホールができることを願っている。
こちらもヴィーン楽友協会大ホールを真似たシューボックスホールだが、収容人数は800人程度と少ない。音響はとてもよい。ホールの大きさからして室内楽が多いが、オケでもしっかりした音が聴ける。
収容人数312人の小さなホール。舞台を囲むように座席が配置されているので、舞台との密着感がよい。そのわりに天井が高いので、藤村実穂子さんが強い声で歌っても飽和するこがない。舞台裏の反響板は収納可能で、ガラス越しに梅田の景色を見ながらコンサートを楽しめることもある。
西宮北口駅近くに出来た4面舞台のホール。間口が縦横とも広く、容積も大きいためか音響は散漫でよくない。オケでは一階は第一次反射音が舞台の反響板からしか聞こえないので、違和感を感じる。後方席や、3階4階席のほうが音響がよく、私は安い席を好んで買っている。
大ホールと違って、音が身近に感じられるいいホールである。一番の問題は、芸術文化センター全体でいえることだが、音楽を鑑賞に来る聴衆が多く、チケットを取り難いことである。特に小ホールはその傾向が顕著である。それだけいいプログラムをそろえていると言うこともある。