ベルリン州立歌劇場来日公演《ヴァルキューレ》 2/3
仕掛けとしては、「冬の嵐は過ぎ去り」が始まるところでトネリコの木に据え付けられたテーブルが大きな音を立てて後方へ引きずられて落ちたのと、2幕で天井から吊り下げられた木が舞台に落ちてきたことかな。
バックの蛍光燈は雷光や森、炎を表現するために使われ、結構効果的でしたけど、もう一つという感じ。
ちょっぴりお金の問題を感じてしまった。
歌の方は、マイアーが最高。この人は意外なことに(失礼!)遠くから見ると小柄で白い服のせいもあってか見た目が可憐で、声も神々しのでジークリンデにぴったり。METのカルメンでの何かちょっとイメージと合わない姿とは正反対でした。
で、1幕後半のジークムントとの2重唱は声量も十分、迫力もすごい!オケが大きな音を出すところでもピーンと張った声が通り、才能のすごさを遺憾無く発揮し最後まで大満足でした。しかし、相手役のポール・エルミングが最悪。はじめはそこそこ声もあって見た目も立派でそんなに違和感はなかったのですが、一幕の後半から声が出なくなってしまい、オケの音が小さい時は聞こえるのですが、ちょっとかぶると全然だめ。結局マイヤーの声だけで1幕が終わってしまったという印象でした。
さすがに一幕のカーテンコールでは一人では出てきませんでした。でも、二幕ではもう少しマシでしたから、一人で出てきましたけど。あと、フンディング役のルネ・パーペは力強い声を聴かせてくれて印象に残りました。フンディング役は出番が少ないので、もう少し聴かせどころのある役で聴いてみたいものです。