ボローニャ歌劇場びわ湖公演
《ジャンニ・スキッキ》 《カヴァレリア・ルスティカーナ》 4/4
さて、やっとのことでクーラの登場です。立ち姿もよく舞台栄えしますね、彼は。声はちょっと暗めですが、直情的な歌を十分な声量で味合わせてくれます。贅沢を言えばもうちょっと情感が有ればいいかな、なんて。それでも、二重唱ではバルツァとクーラの迫力を十二分に味わえて楽しめました。でも、最後の呪うところは二人とも歌わないで叫んでほしかったなぁ。
一方、オケもすばらしく、間奏曲は絶品。深い弦の音色で情感をあますところなく味合わせてくれました。また、ローラ役のブンガも、暗い声でしたが、十分な声量と何よりも魅惑的な容姿で思わず引き付けられました。配役はもう最高といってよく、ジャンニ・スキッキが吹っ飛んでしまった感じです。
酒場のシーンでも合唱は一糸乱れず、クーラ、アルフィオの迫力ある歌唱と演技に魅了され、酒場が引けた後の「ママ、この酒は強いね」ではクーラの歌にも情感が感じられて印象がさらによくなりました。
幕の後、バルツァとクーラに絶大な拍手が送られたのは言うまでも有りませんが、他の人も十分によく、歌手、合唱、オケすべてよい非常に質の高い公演でした。しかもホールも音響も悪い席なのに悪いところが見つからず雰囲気もすばらしい。あらゆる面で十二分に満足できたすばらしい公演でした。