ボローニャ歌劇場びわ湖公演《フェドーラ》 2/4
開演まで時間がありましたので4階席まで行ってきましたが、正面なら一番高いところでも角度がそんなになく舞台がよく見えそうでした。今はシャンデリアが邪魔ですが、これは開演時は上に引っ込むようになっているのでしょう。これなら4階席でも十分にオペラが楽しめそうです。
さて、今回の私の席は1階のど真ん中。昨年11月に新聞広告で募集していた切符で、舞台が前面に大きく広がりさすがにいい席です。1階の中央は音響的にはあまりよくないともいわれますが、実際どんな音がするかも興味が有ります。
前置きが長くなりましたが、いよいよ開演です。
会場が暗くなり前奏曲が始まると、はじめから弦のつやのあるなまめかしい響き、やはり席が違うためか昨日よりは一段上の音です。前奏曲の途中で幕が開くと左側に大きな黒い柱に囲まれ金色と暗い赤色で彩られたきらびやかな部屋、右に全面ガラス窓となった壁があり、ガラス窓の向こうには、門、さらに向こうに別の家が見えます。部屋には大きな花が飾られ婚礼の前日の雰囲気を出してました。いやあ、ゴージャスなこと。おばさま方が喜びそうです。
従者たちの歌が一通り終わった後いよいよフレーニの登場です。舞台右から現れて第一声!と思いきや、登場を喜ぶ拍手でかき消されて音楽が止まってしまいました。気持ちは分かるけど、こんなところで拍手をするなよ~ もう一度前奏からやり直しましたが、今度ははじめからすばらしい声。暖かい声でしかも豊かな声量、もうかなりのお年で顔も随分丸くなってますが、さすが、フレーニ、衰えを全く感じさせません。
フレーニ以外ではチリッロのアルベルギーニは朗々と歌い上げて秀逸、ディーミトリのデ・モーラも少ない出番でもきれいな声が印象に残りました。ですが、デ・シリューのポーラはもう一つですね。
演出の方は写実的といえばいいでしょうか。容疑者がロリスと分かり向かいの館で探す場面では、ご丁寧にも右の窓から見える向かいの家の窓に明かりが点り人の影が動くのが見えました(ただし、左側の席からは見えないかもしれません)そして、ウラディミーロが亡くなってフェドーラが左奥の部屋に入ると突然舞台が暗くなりバックが変わってウラディミーロの寝室になりフェドーラがベッドに泣き落ちて幕となります。