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第50回大阪国際フェスティバル2008 ヴェルディ歌劇《アイーダ》 2/2

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 幕が開くと、広い舞台の中央に舞台の幅の1/3ほどの大きさの白い箱が見えてきました。左手にドア、中央に赤いビロードの布のかかったソファー椅子。超単純で、小さな舞台。この小さな舞台でこの大規模なオペラが進行していきます。もちろん、バレエもないし、祝勝パレードもありません。合唱団の声も、幕の裏から聞こえるし、使者に到っては、個人名まで出ているのに、客席から見える場所で歌わない。


 歌手は、必要にして十分で、しっかりした歌を聴けました。やはりアイーダ役のネーグルステッドは突出してました。美しく、力強く、やさしい。オーケストラを突き抜ける声も気持ちよかった。  ラダメスのヤン・ヴァチックもいい声してましたが、3幕ぐらいで、ちょっとばててましたね。まあ、4幕は持ち直しましたが。


 その他の歌手も、十分で、舞台の醍醐味を音で味わう演出だけに、声のほうの配慮はよく考えられていたと思います。 後はオケですが、金管、木管がキンキンいわずに もっとしっかりしてくれると言うことないのですけどね。 まあ、仕方がないかな。


 演出は、細かな部分がいろいろ面白くて、一番納得したのは、3幕で、アイーダがラダメスに軍隊の進路を聞くとき、ラダメスがドアの外に出て、アイーダがドアの陰に隠れ、アモナスロに聞くように強要されていたところです。あくまでもアイーダの本心で聞いたわけでないことを強調したのですね。


 そして、最後、アムネリスが狂乱して、白い箱を壊し、 その背後に大阪の夜景が写されて、舞台奥にアイーダが現れる。そして、アムネリスに促されるように二人で舞台奥に去っていき、幕となります。


 白い箱は、アイーダとラダメスを精神的に閉じ込め、それをアムネリスが壊して、精神的に開放する。通常考えられる大規模な舞台から最後の洞穴へ収束していく舞台のまるで反対を立派に表現し、固定概念を木っ端微塵に吹き飛ばされて圧倒的な感銘を受けました。


 さすが、コンヴィチュニー。参りました。これだからオペラ通いはやめられません。

 
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