Vivava Opera Company公演
ヘンデル作曲 歌劇《トロメーオ》 2/2
セレウチェの木村直未さんも、これまで何度か聴いていますが、今回が、声の太さ、コロラテュラや高音の安定感、どれも今までとは一皮向けた感じです。欠点は、ちょっと太ったことかな(^^
アラスペの迎肇聡さんも、もともと安定してましたが、迫力が数段レベルアップして、声を聴く快感を感じました。本当にいいバリトンになりました。去年初めて聴いたとき、テノールになってもいいんじゃないかと思いましたが、バリトンで十分やっていけます。 ここまでの3人は、去年までにも聴いたことがある 歌手ですが、3人とも目覚しい成長をしていました。若い歌手が成長していく姿を目の当たりにするのって、本当にうれしいですね。
エリーザの端山梨奈さんは今年初登場。京都市芸大院を首席卒業だそうです。美人だあ(^^ その経歴に恥じない美しい声にすばらしい演技。心情にあわせて顔の表情が変わり、声も細かく制御される。実力はすでに一頭地抜けています。これからの活躍が大に期待される関西のホープでしょう。
アレッサンドロの山田愛子さんは、ちょっと地味ですが、声は深く、コントラルトのように感じました。声量も、音程も安定していて、大変気持ちよく聴けました。
と、上記のように、歌手は大変すばらしかったのですが、欠点も少々。それは、トロメーオとセレウチェの二重唱です。セレウチェの木村さんが、ノンビブラートで延ばして歌うのに対し、トロメーオの永木さんにわずかなビブラートがあり、そのためか二人の声が、溶け合わないのです。あんなわずかなビブラートでも問題が生じてしまうって、古楽の歌唱は難しいのですね。
さて、歌手は一部を除けば大変充実していたのですが、残念ながらオケが足を引っ張ってました。いつものことですが、1幕後半でピッチがずれ、2幕、3幕は何とかもたせるパターン。さらに今年は、2幕、3幕でのバイオリンの音色が鋸を弾くように、ぎしぎししてました。声があれだけ充実しているのに、大変残念でした。
演出は、いつもとと同様、プロジェクターに雰囲気を投影して、歌手がわずかな装置のある舞台上を歌にあわせて動くもの。簡単ですが、雰囲気は悪くないです。
以上、歌手は大変充実していたけれど、オケが足を引っ張っていた感じでした。オケがもう少しがんばってくれたら最高だったのだけど。まあ、一応古楽器だし、仕方ないかなあ。だいたい、関西でヘンデルのオペラを上演してくれる団体は、ここしかないですし。