クリスティアン・ティーレマン指揮
ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団 1/2
交響曲第8番(ハース版)
ティーレマン・ミュンヘンフィルの大阪公演があまりにもよかったので、福岡まで遠征しました。安い席が残っていたこともありますが、プログラムが、ブルックナーの8番、しかもハース版と来たら、もう我慢できませんでした。福岡なら美味しいものも一杯あるし、久々に行くのもいいか、と安易に遠征を決めてしまいました。
会場の福岡シンフォニーホールは初めて入るホールです。シューボックスで、3階舞台よりの私の席からは、右半分しか舞台が見えません。また、3階席からロビーのある1階までは、3階から2階までの細い階段一つと2階から1階までの階段2つしか経路がありません。これは終演後ゆっくりしているとすぐに外に出られないと思い、終演後はすぐに一階に降りることにしました。入りは2階と3階は満席で、1階が7割ほど。
団員が舞台に出てから、指揮者の登場。前回のプログラムとは違い、会場が静かになるまでじっくり待ってから棒を降り始めました。最初からペースが大変遅い。私にとっては理想的な速さで、時々、テンポを急激に揺らしたり、音量を変化させたりしましたが、概略インテンポでほとんど場所で私が理想とする演奏に近く、この曲の音楽に気持ちよく身を任せることができました。やはり第三楽章のハース版独特の繰り返しは病み付きになります。
オーケストラの演奏も大阪のときと同様にすばらしい。弦の力強さには本当に圧倒されました。弦は力強いだけでなく、妖艶なまでに雰囲気豊かにこの大曲を演奏してくれました。これだけ遅いと、ボーイングがさぞ大変なことでしょう。木管は3管でしたが、十分に響いてましたし、雰囲気も抜群。また、金管とホルンの力強さと響きの美しさ。そして何よりも雄弁なティンパニ。撥を両手に日本ずつ持ってたたきまくるのを初めて見ました。