クリスティアン・ティーレマン指揮
ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団 2/2
弦の迫力と木管の表情と金管の力強さ、そしてティンパニの力で久しぶりにオーケストラの醍醐味を味わえました。第4楽章の最後の大迫力はもう申し分なし。
本当にすばらしい演奏でした。振り返ってみると、今回の演奏がクナッパーツブッシュの1963年の演奏にとても似ているということです。あのクナッパーツブッシュの演奏は私にとって大変思いいれのある演奏で、理想とするものです。だから、特に今回の演奏には大変な感銘を受けました。わざわざ福岡まで遠征して本当によかった。
残念だったのは、終演後ティーレマンが聴衆の拍手が止み静寂を求めるために指揮台にじっと立っていたのに、演奏終了とともに拍手が始まって止まらなかったことです。これほどの演奏ですから静寂が欲しかった。
なお、某所で話題になっているフライングブラボーは私のブロックのさらに舞台寄りから聞こえました。少なくとも私ではありません。
最後に、福岡シンフォニーホールの感想。大きなシューボックスです。横幅も広いし、天井も高い。オーチャードホールの奥行きを短くした感じかな。舞台は信じられないほど広い。天井を除きほとんど木製の壁で音を拡散させるような装飾はほとんどありません。これでは第一次反射音が遅くなりそうで音響は期待できそうにないのですが、残響は豊か。舞台に近い3階席だったので、後方の響きは分かりませんが、弦の音がよく響きました。ただ、音の芯までぼやけてしまい、ふわふわな音に聴こえました。大阪のザ・シンフォニーホールでは残響が多いですが、音の芯は明確ですから、その辺の感覚は違いますね。