ハーディング指揮マーラー・チェンバー管 ブラームス・ツィクルス 2日目
ブラームス 交響曲第4番
ブラームス 交響曲第3番第3楽章(アンコール)
今日もハーディング指揮マーラー・チェンバー管ブラームスツィクルス第二日。2番と4番。
2番の第1,2楽章は、私にはもう一つ面白くなかった。いかにも流麗で渋く、ブラームスらしい演奏だが、1日目の3番に比べるとあまりに驚きにかける。
一つ面白かったのは、第2主題のはかないメロディーの扱い。1回目はそれほど強調しなかったのに、2回目は一旦静めて朗々とチェロにメロディーを歌わせた事。あれは効いたね。
昨日のアンコールで聴いた第3楽章からオケの音が立ちだして、おっ!と身を乗り出しそうになった。強弱、緩急。 ほとんどの部分はそんなに逸脱しないけれど、時々、効果的に、劇的に曲を持っていく。
そして怒涛の第4楽章。力一杯の熱演。指揮もあおるし、オケもそれに応えて、もうすごいことになっている。テンポはとても早くて、音も限りなく大きくて、もう頭が真っ白になった。
ブラボー!え、まだ前半が終わっただけなの?
後半の第4番。第1楽章最初の悲しい弦のメロディからめろめろ。極めて美しく悲しい音色。そして、この悲しい曲がどんどん広がって、悲しみの大きな大きな渦になり、それに巻き込まれていく。最後の盛り上がりは最高潮に達し、もう最終楽章?と思えるほど。
第2,3楽章もオケの音が立って、指揮も曲を大きく崩さないけれど集中力がすごい。聴いていて鳥肌が立つときもしばしば。
そして第4楽章。これまでの力をすべてここに集中させてきたような強く、激しい音楽。強弱も緩急もここでは自由自在。それに美しい音で十分に応えるオケ。ゆっくりから最高速、微弱から大音響まで、ハーディングの指揮で瞬時に変わる。その変化とテーマの強調にもう体がとろけそうになり、最後の大音響とともに終演。
久々に味わうオーケストラの醍醐味。しばらく拍手もできなかった。
アンコールは昨日聴いた3番の第3楽章。第1楽章の方がよかったけど。
昨日は、ハーディングの指揮が面白かったことと、オケの能力が凄まじく高いことが印象に残ったが、今日は、ブラームスの曲を大きく変えることなく、それでいて自分たちの音楽をしっかり作って、大きな感銘を与えてくれた。
基本的にブラームスなのだけど、スピード感にあふれ、音の強弱もうまく、何より特徴的な主題を際立たせる音楽だった。
そして、聴いた後の印象がなんと軽いことだろう。重い重厚なブラームスを聴いてきた身にとっては、聴いているときはそう思わなくても、後でさわやかな印象が残るブラームスなんて考えてもいなかった。
そういえばブラームスの交響曲を聴いたのは何年ぶりだろう。いまでは、もう、こんなブラームスは当たり前なんだろうか?
それはともかく、美しくて、印象深く、圧倒的で、爽やかなとても楽しい2日間だった。このコンサートに行って本当によかった