ボローニャ歌劇場来日公演 ベッリーニ 歌劇《清教徒》 ランカトーレ、アルベロ、びわ湖ホール、オペラ、9月11日:KINUZABU-Music
music-detail return

ボローニャ歌劇場来日公演 ベッリーニ 歌劇《清教徒》

日時
2011年9月11日(土)15:00~18:45
会場
びわ湖ホール大ホール(滋賀県大津市)
 
 
曲目
アルベロベッリーニ 歌劇《清教徒》
指揮
ミケーレ・マリオッティ
演出
ジョヴァンナ・マレスタ
配役
ヴァルトン:森 雅史
ジョルジョ:ニコラ・ウリヴィェーロ
アルトゥーロ:セルソ・アルベロ
リッカルド:ルカ・サルシ
エルヴィーラ:デジレ・ランカトーレ
 
 
管弦楽
ボローニャ歌劇場管弦楽団
合唱
ボローニャ歌劇場合唱団
NHK児童合唱団
パンフレット
 

今日はびわ湖ホールでボローニャ歌劇場2日目の《清教徒》。

今回は「指揮者のマリオッティ版と呼ぶべきもの」とプログラムに書かれていて、今までの清教徒とは違って三幕もの。アルトゥーロの出番が多く難役になっているそうだが、その役を歌うフローレスがキャンセルしてしまった。

リッカルドのガザーレもつらい。何とか代役は決まったがどうなることかと思ったが、結果的には大変すばらしい公演だった。

最初はオケも合唱もばらばらでどうなることかと思ったが、そのうち快調になって、ああ、イタリアオペラだなと思った。最後は指揮者に締め上げられていた。その分終わりの集中力はすごかった。

歌手は、エルヴィーラのランカトーレは、高い声を出すために準備が必要だったけど、決めるところは決めた。でも低音のいやな響きが気になった。楽譜通りに歌えたけれどそれ以上ではない感じ。ただマリオッティ版では狂乱の場の比重が低いので全く問題なし。

アルトゥーロのアルベロは、輝かしい声のリリックテノール。高音を出すのに少し苦労していたけど、こちらも決めるところは決めた。フローレスの代役としては最低限の仕事をしてくれたと思う。

ジョルジョ役のウリヴィエーリは素晴らしいバス。こんな声の人がいると舞台が引き締まる。

問題はリッカルドのサルジ。声量は大きいが、荒い声で、テクニカルなフレーズを歌えない。2幕最後のジョルジョとの2重唱は、ジョルジョがあまりに素晴らしいだけに、舞台をぶち壊し。

合唱は、前日の《カルメン》よりも指揮と合っていた。会場に慣れたのかもしれない。迫力があって、でも柔らかくてとても美しかった。

演出は、四角の舞台の周囲に黒いカーテンが基本で、場面に応じ中央に装置が上から降りてくる。簡素ではあるが美しい舞台。感性が違うな。

全体的にはまとまっていて大変良い公演だったと思う。指揮、オケ、合唱のなせる業だろ。歌手もサルジを除けば大きく崩れたわけでもないし、歌手が大きく変わったとしても、それなりにうまくいった。なんといっても、マリオッティ版でイタリアオペラを聞いた満足感がアップした。これまでの《清教徒》とは、似て非なるものという感じだった。なんだか、ヴェルディに通じるものがあるように思った。

イタリアの歌劇場はやっぱりイタリアオペラやね。暑かったけど天気も良かったし充実した土日だった。